人事労務管理のポイント…入社に伴う手続・必要書類


 従業員の方を新たに採用する場合には、様々な書類を提出したり手続を行う必要があります。
それぞれの分野ごとに行うべき手続事項をまとめましたので、貴社の採用業務に活用いただければ幸いです。

【労働基準法上の手続】
 新たに労働契約を結ぶ時は、その労働者の方に対し以下5項目を明示した書面を「労働契約書」「労働条件通知書」
などの形で交付してください。

(1) 労働契約の期間に関する事項
(2) 就業の場所、従事すべき業務に関する事項
(3) 始業・終業の時刻、所定労働時間を超える労働の有無、休憩時間、休日、休暇、交代制勤務の
  場合の就業時転換に関する事項
(4) (退職手当や賞与等を除く)賃金の決定・計算・及び支払の方法、賃金の締切及び支払の時期に関する事項
(5) 退職に関する事項(解雇の事由を含む)

 上記以外の事項、例えば退職手当や賞与、休職などに関しても、それらの定めが就業規則等にある場合または
実施しようとする場合には、出来るだけ上記同様書面にて明示していただきたいですが、最低でも口頭で伝える
ようにして下さい。

 有期労働契約を締結する場合には、上記に加えて
(1) 使用者は有期契約労働者に対して、その契約の更新があるかどうかを明確に伝える必要があります
(2) 契約を更新する場合があると明示した場合には、契約を更新するかどうかの判断基準を明確にする
  必要があります
(3) 有期労働契約を締結した後に使用者が(1)または(2)について変更する場合には、労働者に対して
  その内容を明示する必要があります

【雇用保険の手続】
 採用時点で65歳以上の従業員(65歳誕生日の前日以降に採用した方)を除き、ほとんどの場合には雇用保険の
被保険者となりますので、雇用保険加入の手続をします。
 なお、パートやアルバイトの方で雇用保険の被保険者となるのは、週所定労働時間が20時間以上で
31日以上引き続き雇用されることが見込まれる方です。

      雇用保険被保険者資格取得届…雇用保険加入の対象となる従業員の方を採用した時に
         翌月10日までにその事業所を管轄する公共職業安定所に提出してください。
      雇用保険被保険者証再交付申請書…前職がある方を採用した場合で、以前に発行された
         雇用保険被保険者証を紛失したり損傷させたりした場合に提出してください。

【社会保険の手続】
 社会保険に関しても正社員として雇用された方はほとんどの場合強制加入となりますが、パートさんや
アルバイトさんの場合には、次のいずれにも該当する方が社会保険の被保険者となります。
(1) 1日または1週間の所定労働時間数が、正社員のおおむね4分の3以上であること
(2) 1ヶ月の所定労働日数が、正社員のおおむね4分の3以上であること

      健康保険・厚生年金保険被保険者資格取得届…社会保険加入の対象となる従業員の
         方を採用した時に、採用日から5日以内に年金事務所または健康保険組合に提出してください。
      健康保険被扶養者(異動)届…採用した従業員の方に健康保険法上の被扶養者がいらっしゃる
         場合に、年金事務所等に提出してください。
         可能であれば資格取得届と同時に提出しますが、無理な場合には後日提出しても構いません。
      国民年金第3号被保険者資格取得届…採用した従業員の配偶者が国民保険の第3号被保険者に
         該当するときに、その採用した日から5日以内に年金事務所等に提出してください。
         なお、国民年金第3号被保険者とは、20歳以上60歳未満の者であって主としてサラリーマン等の
         第2号被保険者の収入により生計を維持されている第2号被保険者の配偶者で、
         原則として年間収入が130万円未満の方をいいます。

【税金関係の手続】
      給与所得者の扶養控除等(異動)申告書…従業員の方の給与計算をする際に必要な書類ですので、
         なるべく早いうちに記入してもらってください。
      市民税・県民税(都民税) 普通徴収から特別徴収への切替申請書…退職などで住民税を
         ご自身で支払っている方(普通徴収)が、就職により会社の給与からの天引き(特別徴収)を
         希望する場合に、その方のお住まいの市区町村に提出してください。
         なお、普通徴収の納付期限が過ぎているものは、特別徴収への切替はできません。

      ……………………………………………………………………………………………………………………      

離職票記載内容の補正について

 離職票への記入欄に「離職理由欄」があります。事業主記入欄に加え離職者記入欄もあるため、退職理由を
めぐって労使間でのトラブルとなることが多く見受けられます。
…記載内容が事実と異なるのであれば「雇用保険被保険者離職票記載内容補正願」を提出してください。

東日本大震災に関連する休業手当・労災などへの対応

 大きな被害により、やむを得ない休業措置を取る企業も少なくありません。厚生労働省より発表されたQ&Aから、
休業手当、労災保険などに関する労働基準法等の対応をまとめました。
…数多くの相談事例が労働局からも掲載されておりますので、参考になさってください。

定年退職後に短時間労働者として勤務する際の健康保険や厚生年金

 非常勤勤務や契約社員など短時間労働者の方に社会保険が適用されるかどうかは、1日または1週間の勤務時間や
1ヶ月の勤務日数によって決定されます。
…病気・出産の手当金、将来の年金受給のために社会保険手続は確実に行いたいものです。

退職証明書の証明事項

 労働者の退職、解雇の際のトラブル防止および再就職活動時における使用、雇用証明を目的とするため、退職する
労働者の方から請求があった場合には、使用者は一定の事項を記載した退職証明書を遅滞なく交付しなければなりません。
…請求されていない事項は記入しません。

失業した場合の国民年金保険料の特例免除

 申請する年度または前年度において退職(失業)の事実がある場合には、
本人の前年所得を除外して審査する「失業による保険料の特例免除」の申請をすることができます。
…所得基準の要件が緩和されます。

入社に伴う手続・必要書類

 新たに従業員の方と雇用契約を結ぶ際の手続や提出書類などについて解説しております。
…従業員の安心のために、確実な提出をお願いします。

試用期間中の賃金等

 就業規則あるいは給与規程等に明記されている限り、試用期間中の従業員と本採用後の従業員の方の賃金額に
差を設けることは可能です。
…こちらをご覧ください。

職場の労使慣行にご注意ください。

 労働契約書や就業規則等には明確な規定がないものの、一定の事実、取扱いが相当期間に渡り継続して行われ、
これらが労使双方で当然の職場ルールであると認識されている場合には、立派な職場の規則と判断される場合があります。
…トラブルも多発しています。

所定労働時間の一部分のみ労働した場合の休業補償

 業務災害に遭い被災労働者が休業した場合には労災保険から休業補償が行われますが、その災害発生当日を含む
最初の3日間については、労災保険からの給付はなく事業主に休業補償を支払う義務があります。
…補償額の計算方法に注意してください。

退職後の健康保険について

 退職後の再就職先が社会保険の適用事業所であるために健康保険に加入される方を除いて、退職後の
健康保険加入に関しては、
@親族等が加入している健康保険の被扶養者となる
A国民健康保険に加入する
B任意継続被保険者となる
からの選択が考えられます。
…退職される方にぜひご案内をお願いします。


労務管理に関するご質問をお受けいたします。(ご契約前の相談もお気軽にどうぞ。)

新着情報&更新情報

平成26年3月23日更新しました…年金法改正点
国民年金の任意加入中の保険料未納期間が合算対象期間に算入されることになります。
平成26年3月14日更新しました…給与計算サポート
今まで適用されていた育児休業期間中にくわえ、産前産後休業期間中も社会保険料が免除されます。
平成26年3月8日更新しました…労働・社会保険ニュース
新しい給料を即時に標準報酬月額に反映させる同日得喪が、60歳以上の継続再雇用者に拡大適用されています。
平成25年4月1日…労働・社会保険ニュース
会社判断が廃止され希望者全員を継続雇用制度の対象とすることが求められています。
平成25年2月28日…健康保険法・国民健康保険等改正点
外来療養、指定訪問看護での医療費についても支払い額が一定の限度額までとなるしくみが始まっています。
平成23年10月25日…人事労務管理のポイント
離職票記載内容が事実と異なる場合には補正願の提出が必要です。
平成23年10月24日…労働者災害補償保険法改正点
石綿による遺族特別給付金の請求期限が延長されました。
平成23年7月2日…労働・社会保険ニュース
一定の要件を満たせば、パートタイマーや派遣社員など有期契約労働者の方も育児休業を取得できます。
…社会保険手続
標準報酬月額の定時決定等において、保険者算定が適用される場面が追加されています。
…労働・社会保険ニュース
事業主と同居の親族・家族従業者の方の雇用保険、労災保険への加入について、その基準をまとめました。
…人事労務管理のポイント
東日本大震災にかかる休業手当・労災保険などへの対応を、厚生労働省発表のQ&Aからまとめました。
…年金法改正点
東日本大震災に対処するため特別に施行された、年金に関連する主な法律をまとめました。
…年金法改正点
障害年金における子の加算額および配偶者に係る加給年金額の受給要件が緩和されました。
…労働・社会保険ニュース
年金支給の開始年齢引き上げが検討されます。
…人事労務管理のポイント
非常勤や契約社員、嘱託社員など短時間労働者の方の社会保険適用の基準をご説明いたします。
…人事労務管理のポイント
退職する労働者の方から請求があった場合には、使用者は一定の事項を記載した退職証明書を遅滞なく交付しなければなりません。
…労働・社会保険ニュース
勤務先の労働保険加入状況をインターネットで確認できるようになりました。
…人事労務管理のポイント
国民年金保険料は、退職(失業)による特例免除制度があります。
…労働・社会保険ニュース
事業主が雇用保険の被保険者資格取得の届出をしなかったことにより雇用保険に未加入のままであった従業員の方については、一定の要件を満たすことにより2年を超えて過去にさかのぼり被保険者期間として認められます。

■法律改正や保険料率等の改定、その他人事・労務に関する情報を更新していきます。


各法律改正点

社会保険労務士 山田泰則

社会保険労務士 山田泰則 企業と働く方の幸せのために頑張ります。さいたま市、戸田市、川口市、蕨市を中心に活動しております。
経営者の方のみならず、従業員の方や退職された方にとっての身近な相談者であり続けたいと考えています。
どうぞお気軽にお声を掛けてください。


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