給与計算サポート…取締役は雇用保険に加入することが出来ますか?

 取締役であっても、同時に会社の部長や工場長など会社の従業員としての身分を有している場合などは、
審査を経た上で雇用保険に加入することが出来る場合があります。

 私達のような個人事業主、法人の代表者などは、労災保険には特別加入という形で加入することが出来ますが、
雇用保険では労働者とは扱われず、事業主との雇用関係があるという概念があるはずもなく、従って雇用保険に
加入することが出来ません。

 一方で、会社の代表ではない取締役等は、その会社における権限と義務を株主から委任された”経営者”であり、
一般には雇用保険の被保険者とはなりません。
 ただし、同時に会社の部長職や工場長等を兼務している場合には、労働者的性格を持つ兼務役員として、
雇用保険に加入出来ることがあります。
 そのためには、「兼務役員雇用実態証明書」を作成し、以下の書類を添付した上で所轄ハローワークに提出し、
労働者としての実態があるかどうか、労働者として雇用保険に加入できるかどうかの審査を受けることが必要です。

1、兼務役員に就任した時の議事録
   賃金、役員報酬の確認をするために必要です。その者に労働者としての実態があるならば、
  役員報酬とは別に労働の対償としての賃金を受け取っているはずであるからです。
   「労働者的性格を持つ」という要件であることから、総支給額における賃金の割合が少なくとも
  5割を超えていることが必要ですが、多くの会社では6割から7割を賃金とし、残り3割から4割を
  役員報酬として支給しているようです。

   全額を役員報酬として支給している場合には、その者の労働実態に合わせて役員報酬をいくらにするか
  また、賃金をいくらにするかを取締役会等で決議しなければなりません。

2、出勤簿および賃金台帳(それぞれ過去3ヶ月分)
   労働者としての実態があるということは、その部分については労働基準法が適用されることになります。
  その者について一般労働者と同じように就業規則等に従って、もしくは準じて、出勤がなされているか、
  遅刻早退などによる賃金控除はされているか、また、各種手当が支給されているかどうか
  などが確認されるわけです。

3、取締役としての登記簿謄本(コピーで大丈夫です)、労働者名簿、就業規則
   また、兼務役員として新たに雇用保険に加入する場合は、雇用保険被保険者資格取得届も
  合わせて提出します。


 雇用保険料は社会保険料に比べれば決して高い金額ではなく、また被保険者となることによって、
万が一失業した場合の失業手当や高年齢雇用継続基本給付金を受け取ることが出来ますし、
助成金の受給要件となる場合もあります。
 規模の小さな会社では営業として、また部長等として働いていらっしゃる役員の方も多いと思います。
雇用・生活の安定を図る上でも、ぜひ検討されることをお勧めいたします。


産前産後休業期間中の社会保険料免除制度が始まります。

 今まで適用されていた育児休業期間中にくわえ、産前産後休業期間中も社会保険料が免除されます。
…産前産後休業期間中に申出書を提出してください。…平成26年3月14日更新

パートさん、アルバイトさんにも有給付与は必要ですか?

 正社員と同じ日数とはいかないまでも、週所定労働時間、週所定労働日数により
決められた日数の有給付与が必要です。
…付与日数、計算方法などをまとめてあります。

時間外労働、休日労働の割増手当の計算は適当ですか?

 所定労働時間を超えたら一律2割5分増し、休日労働をしてもらったら一律3割5分増しという訳ではありません。
法定労働時間法定休日が重要です。
…給与額に影響のある重点項目です。

取締役は雇用保険に加入することが出来ますか?

 取締役であっても、同時に会社の部長や工場長など会社の「従業員」としての身分を有している場合には、
審査を経た上で雇用保険に加入することが出来る場合があります。
…加入要件、提出書類の一覧へ


 賃金や労働時間に関する法律は非常に多くまた複雑であり、判断に困ることが多々あります。
万が一計算が間に合わなくて支給が遅れてしまったり計算ミスが発生したりすると、会社と従業員との
信頼関係まで損ねる恐れもあります。
 給与計算には、労働法だけではなく雇用保険法や健康保険法、住民税などの税法の知識も必要であり、
また頻繁に行われる法改正にも対応するべく、私達も日々動向に注意しています。
 会計事務所での勤務経験がありますので、給与計算ソフトを用いて給与計算業務を代行させていただきます。
また、経理・人事担当者の方からの給与計算に関するご質問もお気軽にお寄せください。

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新着情報&更新情報

平成26年3月23日更新しました…年金法改正点
国民年金の任意加入中の保険料未納期間が合算対象期間に算入されることになります。
平成26年3月14日更新しました…給与計算サポート
今まで適用されていた育児休業期間中にくわえ、産前産後休業期間中も社会保険料が免除されます。
平成26年3月8日更新しました…労働・社会保険ニュース
新しい給料を即時に標準報酬月額に反映させる同日得喪が、60歳以上の継続再雇用者に拡大適用されています。
平成25年4月1日…労働・社会保険ニュース
会社判断が廃止され希望者全員を継続雇用制度の対象とすることが求められています。
平成25年2月28日…健康保険法・国民健康保険等改正点
外来療養、指定訪問看護での医療費についても支払い額が一定の限度額までとなるしくみが始まっています。
平成23年10月25日…人事労務管理のポイント
離職票記載内容が事実と異なる場合には補正願の提出が必要です。
平成23年10月24日…労働者災害補償保険法改正点
石綿による遺族特別給付金の請求期限が延長されました。
平成23年7月2日…労働・社会保険ニュース
一定の要件を満たせば、パートタイマーや派遣社員など有期契約労働者の方も育児休業を取得できます。
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標準報酬月額の定時決定等において、保険者算定が適用される場面が追加されています。
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東日本大震災に対処するため特別に施行された、年金に関連する主な法律をまとめました。
…年金法改正点
障害年金における子の加算額および配偶者に係る加給年金額の受給要件が緩和されました。
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年金支給の開始年齢引き上げが検討されます。
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非常勤や契約社員、嘱託社員など短時間労働者の方の社会保険適用の基準をご説明いたします。
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退職する労働者の方から請求があった場合には、使用者は一定の事項を記載した退職証明書を遅滞なく交付しなければなりません。
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勤務先の労働保険加入状況をインターネットで確認できるようになりました。
…人事労務管理のポイント
国民年金保険料は、退職(失業)による特例免除制度があります。
…労働・社会保険ニュース
事業主が雇用保険の被保険者資格取得の届出をしなかったことにより雇用保険に未加入のままであった従業員の方については、一定の要件を満たすことにより2年を超えて過去にさかのぼり被保険者期間として認められます。

■法律改正や保険料率等の改定、その他人事・労務に関する情報を更新していきます。


各法律改正点

社会保険労務士 山田泰則

社会保険労務士 山田泰則 企業と働く方の幸せのために頑張ります。さいたま市、戸田市、川口市、蕨市を中心に活動しております。
経営者の方のみならず、従業員の方や退職された方にとっての身近な相談者であり続けたいと考えています。
どうぞお気軽にお声を掛けてください。


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